RN4020 MLDP でシリアル無線化 2018/08/15

マイクロテクニカ RN-4020 Bluetooth Low Energy (BLE) スティックボードを使って、RS-232C シリアル通信の無線化を試してみました。



RN-4020 は、マイクロチップ社製 BLE モジュール です。
2台のモジュール間のシリアル通信を、SSP (Serial Port Profile) を使って無線化する
MLDP (Microchip Low-energy Data Profile) が搭載されています。

試作用に購入していたものが余ったので、PLC (シーケンサ) のデバッグ、データ収集に使えるのでは?と試してみました。
電源 ON で自動で接続、ジャンパーピンの抜き差しで MLDP モードになります。

結論から言うと、
通信速度の変更は SB コマンドで可能ですが、その他は固定になっています。
このため、KEYENCE KV の KV-STUDIO モードではパリティが異なり繋がりませんでした。
無手順通信は OK でした。


マイクロテクニカの 説明書(ble-stick_man.pdf) はとても分かりやすく書かれており、その通りにすると動きます。
一部手間取ったところを、下記にまとめてみました。

「RN-4020を使ってみる ~応用編1~」
 ■モジュール(2)(ぺリファイル)の設定
 6,7: UUID の設定
  UUID生成サイトで発行した3つのUUIDの設定は、まとめると下記の3つになります。
  PS,xxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxx
  PC,xxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxx,1A,10
  PC,xxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxx,06,02
  
 9: Dコマンドで状態を確認
  |Role=Peripheral
  は、表示されませんでしたので、"Role"がセントラルでないことを確認すれば良と思います。

 ■サービスの確認
 3: ぺリフェラル側のサービスの確認
  こちらの環境では、ヘッダーコードは、
  000B -> 000E
  000C -> 000F
  でした。以降の説明のうち、これらを読み替えると動きました。

以上です。


■自動接続

 電源ONで自動で接続するために、セントラル側にスクリプトを作成しました。

 ・関連コマンド
  LW : スクリプトを表示
  WC : スクリプトを消去
  WW : スクリプト入力モードへ
     終了は、ESCキー。ダメな場合は、[ESC]のキーコード16進 1B を送信
  WR : スクリプト実行(@PW_ON)

 ・自動接続のためのスクリプトをWC WW コマンドで作成 (下記2行のみ)

  @PW_ON
  E,0,XXXXXXXXXXXX (ペリフェラル側のMACアドレス)

 ・セントラル側の機能変更(自動スクリプトを追加)

  SR,93000000
  R,1

  R,1(リブート)で @PW_ON のスクリプトが実行されてしまうため、
  ペリフェラル側、セントラル側の設定、スクリプトの確認が終わった状態で、変更します。
  SR,93000000 は、機能設定=MLDP有効+セントラル設定+自動スクリプトです。

 接続後、"CMD" ジャンパーピンを一度抜き差しすると MLDP が実行されます。
 MLDP の実行は、I コマンドでも可能ですが、スクリプトに入れてしまうと、編集するタイミング(コマンドモード)が無くなってしまうため、
 ジャンパーピンの抜き差しにしています。実用する場合は、B接の押釦スイッチに変更します。


RS232C シリアル通信の無線化に対応した Bluetooth Classic を使った製品があります。

 ・ラトックシステム BT-60CR ¥48,000 ( 2 台セット)
  専用機でペアリング済みなので、簡単に使えそうです。
  Bluetooth 2.1 + EDR Class 2 通信距離:10m (RN-42 搭載)
  通信速度:1200 ~ 230400 bps

 ・Parari-SD1000  ¥16,000 x 2 台 = ¥32,000
  設定が要りそうですが、Bluetooth Class 1 のため通信距離が長い (100m) のが魅力です。

 ・パナソニック KR10無線ユニット ¥18,000 x 2 台 = ¥36,000
   FA 用 特定小電力無線 10mW 通信距離 : 約100m
  通信速度:1200 ~3 8400 bps
  ※ 1 回のデータ量が2048バイトを超えないこと、タイムアウト時間を延ばすことが可能なこと
  

いずれも 2 台分なので結構高いです。
安価な Bluetooth Classic (Bluetooeh Low Energy ではないヤツ) モジュールで、また試してみたいと思います。
秋月電子通商のこれが使えそうです。